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今回でかれこれ100回目ほどの遅刻を記録した俺は「花咲 徳」。徳と書いて、のぼると読む。初めて会う人からは大抵、とく、とかゆうふうに呼ばれてしまうのがやっかいだ。
学校からは遅刻の王者とゆう異名で恐れられていて、遅刻しない日には地割れが起きるのではないか?とすら思われているほどだ。
「ウィーッス。」
俺は一時間目の始まる直前に教室に入ってとある人物に挨拶をした。
「おう、おす。」
こいつの名前は「隆弘」。俺のよき親友だ。
「また遅刻かよ!お前も懲りねえやつだな(笑)」
会うなりそれかよ。俺は顔を渋らせて答える。
「仕方ねえじゃん。最近忙しいんだからよ。」
実を言うと俺は今ある趣味に熱中している。
忙しいというのは、その趣味のせいだ。
隆弘は少し驚いたようにして言う。
「まだ続いてんのか!?ギター!」
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