プロローグ-2

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やっとこいつの言ったことを理解した俺は、冷静に答える。 「バンド組むもなにも…お前ギターとか弾けないだろっ!」 言いながら少し苦笑してしまった。 俺は次の展開をなんとなく想像した。 (いや、俺はボーカルやるから!!) しかし、こいつは俺の想像を見事にぶち壊した。 「だからこれからギター練習するんだって。お前んちで。」 「は?」 まさか本気か? この言葉を疑問詞のあとに続けようと思ったが、続けなかった。正確に言うと、続けれなかったのだが。 こいつの目は、さっき以上にキラキラしてきている。 「……まぁ俺は基本いつも暇だから、ギターの練習だけならいつ来てもいいけど。」 恐らくこの言葉が全ての原因だろう。 徳は目を大きくして 「マジ!?じゃあ明日から毎日来るよ!!」 と叫ぶようにして言った。 「んじゃぁ今日はもう帰るから!!」 そう言ったあと、徳はすぐに俺の部屋から出ていった。 ダダダダダダッ 階段を急いで降りる音がする。 …まぁどうせすぐ飽きるだろ。 俺はこの時、そう信じて止まなかった。
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