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「ひろーッ!!来たぞーッ!!」
次の日、徳は正午ちょうどに俺んちへ来た。
玄関から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
ちなみに夏休みだけあって、俺はまだベッドの中だ。
つぶれる瞼をこすりながら、俺は返事をする。
「ちょっと待ってろー。」
睡魔に負けそうになる体を起こして、用意しておいた着替えを着る。
「まだかよーッ!?」
朝から…、いや昼なのだが、とにかくうるさいやつだ。
「もうちょい待てって!!」
思わず大きな声で応答してしまった。
着替え終わると、すぐに玄関に向かうと、玄関に座り込んでいる徳が目に入った。
「お前おせーよッ!!」
徳は言う。
「お前がはえーよッ!!」
俺も言う。
「ぷっ」
思わず吹き出してしまった。
徳のほうを見ると、俺と同じように笑っている。
「じゃあここはプラマイ0ってことで。」
プラマイ0は徳のくちぐせ。会話をしているといたるところで出てくるのだ。
「まぁさっさと上がれよ。」
と、言う前に徳は部屋に向かっていた。
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