椿

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 図鑑を前に、彼女は言った。 「椿の花言葉って何?あー、あった。"短命"?」  その後の気の毒そうな彼女の顔は忘れられない。  タイムリーすぎたのだ。  私は当時、父との関係に少しぎこちないものを感じて、彼女に何度も相談していたのだから。  母が生きていたらと、きっと互いに――少なくても私は胸の中で思っていた時期。  あぁ、やはり父は・・・と思わずにはいられなかった。
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