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キングサイズのベッドしかない黴臭い板張りの部屋。
ギシリギシリと軋む音と雨の音、それに二人の荒い呼吸だけが身を包む。
これから死に行く人。その頬を撫でると擽ったそうに目を細めた。
「何故?」
「して、欲しいから。」
恍惚とした頭の中で、いっそ初めて勤めを果たせなくなる位に壊してくれればと願った。
「せんよ。今はね。」
その言葉にか、私は涙を流して意識を手放した。
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