1章 襲来

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始まりは2ヶ月前に東京で行った国際合同研究でおこった。薬品研究で薬品を投与した動物に噛まれた研究員が発症し、研究員全員が死亡し発症、すぐさまSATが出動し鎮圧したが、一ヶ月後、今度は各国で再び事件が発生した。原因は発症した人間の死体解剖の最中なんらかの形で感染したらしいが、それがどうやって世界規模に発展したかは不明である。 これに対し日本政府はいちいち議論などをしていた。が、業を煮やした防衛省、警察庁が自主的に動いた。しかし、感染は予想以上に広がった。 在日米軍はすぐにアメリカに撤退、中国は通信が途絶、ヨーロッパは半分が死滅した。日本は本州のほとんどが感染。が、北海道は第2師団が、九州は中国を警戒していた西部方面隊が活躍し鎮圧している。なので、本州からの避難民を受け入れているが輸送機や輸送艦などの不足で完全に撤退しきれていない。陸路という案もあったが、暴動同然の事態であるため道路のほとんどが使えない そのため生存者がいる地域にヘリを飛ばし救助している。他にも自衛隊による探索での救助もしている。 柳田の偵察隊は後者である。 「にしても、装備不足はなんとかならんかね。人員が優秀でも骨董品じゃ怖いわ」 そういって彼の横に座っている予備自衛官の竹田が抱えている62式機関銃を見る。この62式機関銃は弾づまり、暴発、あげくの果てには引き金から指をはなしても弾が出る不良品で、隊員たちからキング・オブ・バカ銃、ないほうがマシンガンなどと言われるほどの物だ。
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