1章 襲来

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「仕方ないでしょう。だって東京から撤退中の隊で10式戦車の横を61式戦車が走っているぐらいですよ」 陣内の後ろにいた谷村が答えた。確かにそのとおりだ。予備自衛官の投入、さらには警察官も64式小銃を装備している。日本には兵器が極端に少ないため、倉庫に眠っていた退役した装備を導入せざるおえなかった。 「まあ、脱出が目的だしな。我慢するか。みんな装備の点検がすんだら明日に備えてくれ。集合は明日の0900時だ」 そういうと64式小銃の整備に手間取っている自衛官たちはあわてて手を動かした。89式小銃に比べ部品が多く手間がかかるのだ。 やはり扱いがたいと思いながらヘリポート同然のグランドをみた。まだ検査が終わらない人々の周囲を武装した隊員たちが囲んでいる。こんなことがいつまで続くんだと思いつつ仮眠をとるべく隊舎に向かった。
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