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「大丈夫だって、そんな暗い顔すんなよ」
笑いながらシェリーの肩を叩く
「アルってなんで周りには気を使ったり助けたりするのに、自分のことは頼ろうとしないわけ?」
「……」
シェリーはいつもより興奮してるのか、声が大きい
「その笑顔は私達を心配させないようにでしょ?瞳の奥は辛そうに見えるわ」
怒った口調だったが、段々シェリーの声が震えてくる
「私はアルに沢山助けてもらった、だからアルも助けたいのよ…皆に弱い所を見せたくないなら、せめて私には見せ……」
話している途中で肩を震わせ涙を流した為に言葉に詰まるシェリー
黙って聞いていたアルが口を開く
「俺は小さい頃から両親が居なくて親戚に育てられたって話したよな?だから人一倍周りに気を使って、迷惑をかけないように自分を押し殺して生きてきたんだ」
俯きながら、淡々と話し始めた
「だから皆にも迷惑かけたら嫌われそうで怖いんだ…」
親戚は実の子どもを可愛がり、アルには風当たりが強かった
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