いざルノアール学園

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「エレナ、やりすぎだよ」 「あれくらいしなきゃ、起きないのをリリも知ってるでしょ」 「そうだけどさぁ」 レクサスを心配するリリと男勝りなエレナ。 2人の会話を聞いていたアルとクライヴ 「エレナの前じゃ迂闊に寝れないな…」 「まったくだよ、僕の綺麗な顔に傷がついたらたまらないからね」 相変わらずナルシストだ、なぜ俺の周りには個性的なやつが多いんだ。 これからの学園生活が不安になるアルだった。 置いてきたレクサスもみんなに追いつき、歩いていたら 「邪魔だ、どいてくれないか」 と後ろから声がしたので、5人は振り向く 濃い茶色の長い髪をいじりながら、こちらを睨んでいる男が1人 「聞こえなかったのか?どけと言ったんだ。」 人を見下すような目で見ながら、もう一度言った 「てめぇ、通路広いんだから通れるだろ」 「そうよ、なんなの偉そうに」 気が短い2人が反論する レクサスとエレナだ。 その2人をなだめるクライヴ 「まぁまぁ、5人固まってた方も悪いし避けよう」 レクサスとエレナが納得いってないみたいだが、渋々道をあける 「わかればいいんだ、庶民達」 そう言い捨て歩いて行った 「なんで止めた、クライヴ?」 「そうよ、ちょっとカッコいいけどムカつくじゃない」 そんな時でも男をそういう目で見ているエレナにアルは感心する。 「落ち着け、あいつはかなりの権力を持っている上流貴族グランド家の息子、 ルーク・グランドだ」 説明をしてわかってもらえたと思っていたクライヴが安心していると 「なにが上流貴族よ、そんなんにビビってるからクライヴは彼女一人もできないのよ」 「うっ、それを言うな」 膝から崩れたクライヴを気の毒そうに見ているアル。 「そんなんだからエレナも彼氏が出来ないんだと思う、なぁリリ?」 「そっ、そうだねアル」 思っていないかもしれないが合わせて答えてくれるリリ、 隣に彼女がいると手入れされた、青い髪からいい匂いがして鼻腔を刺激する。 静かで優しいリリ、正反対のエレナ この2人だから仲良くできるのだとアルはしみじみ感じる。
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