129人が本棚に入れています
本棚に追加
ひどく気怠い。糊でぴしっとしたブレザーとか、シャツとか、碧い匂いのする風とか俺には憂鬱の材料でしかない。ゲームがしたい。レベル上げたい。
「うえ」
クラス発表の紙の前で群がる人たち。すこし吐き気がした。
うわ、あれって櫻木と翠川じゃない?
その隣って誰?
大島だよ。うわー、櫻木怖ぇ
なんてとこに入学式しちまったんだ
ざわざわざわざわ、何事?
さっきまでクラス発表の紙の前で群がってた人も散らばっていく。よしラッキー、だなんてクラス発表の紙の前に行った
「ねーねー」
「…?」
「君面白いね!」
「は?」
「みんなが道あけるに君は堂々と突っ切ってた。一年?名前は?」
「名前聞く前にそっちが名乗ってくださいよ」
「うわー、そのカンジいいね!久々!俺は翠川雅、二年生だよーって」
「宮路きい。一年です」
「仲良くしようよ!アドレスこうかーん」
めんどくさい…。なんて思ったけどこの人、翠川さんの後ろにいる人がこちらをガン見してくるから非常に断りにくい。
仕方なく携帯をポケットから取り出して赤外線でアドレスを送信した
「よーし、じゃあ紅ちゃんにも葵ちゃんにもメアドあげちゃお!」
「え、勝手にですか」
「雅ちゃん、そろそろ時間だからいくよ」
「あ、うん!」
くりくりの目をしたイケメンがまた歩き出した。隣の眠たそうな人も歩き出す。のろのろ歩く後ろ姿はがに股。翠川さんは二人の後についてった
ばいばい!なんて大きく手を振って
.
最初のコメントを投稿しよう!