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夕方、その現象は起きた。
黒塗りの高級車の広々とした車内に小さなかわいらしい女の子がちょこんと座っていた。
暇そうに足をバタバタさせながら、窓の外を見ている。
そんな女の子の足がしばらくして止まった。
何かを見つけたようだった。
目を大きく見開いて、窓に顔をくっつけて、くいいるように何かを見ている。
晴れた空に光る赤い星
見えるはずのない昼間の星
それは、昼間に見える月と同じように、凛と見えていた。
空との違和感に
少女は、すぐにそれを見つけた。
息をするのも忘れるほどに、その深い紅にくぎ付けになった。
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