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「ん~・・・・・・んんッ!!
いい天気だなぁ」
俺は世間的に休みのある日、街を離れて森へ来ていた。
木漏れ日に包まれながら木の幹に気だるい体を預ける。
こうしてのんびりと過ごすのが俺の休日の過ごし方だ。
学園では先生がうっさいし、家では妹が鬱陶しい。
かといって適当にぶらついて幼なじみにでも遭遇したら面倒だ。
なんたってあいつは真面目だからなぁ
『課題終わってないでしょ! ちゃんとやってからにしなさい!』
とか言いそうだ・・・。割と本気で
そんなこんなで俺の安らぎの時間というのは悲しいことながら休みのこの時間に限られてしまうわけだ。
「はぁ・・・ままならない」
ままならないがすっかり口癖になってしまったなぁと、そんなことを思っているうちにじわじわと睡魔が襲ってきた。
「くっそ・・・ねみぃ・・・」
このまま寝てしまうというのもなかなか魅力的な提案だ。
しかし、やっとやってきた七日に一度のこの安らぎの時間。
この貴重な時間を寝てしまうのは大変惜しい。
俺としてはこの安らぎの時間を一分一秒も無駄に過ごしたくないのだ。
「ぐぬぬぬぬ・・・」
なんとなく無駄だと分かってはいるんだが、精一杯の抵抗と必死に目を開け続けようと頑張ってみる。
だが努力虚しく瞼はじわじわと下がる一方・・・。
そりゃそうだ。最近寝てないからな。
俺は目を開け続ける努力を放棄した。
たまにはこういう風に過ごすのもいいだろう。
しかし、それを赦してくれないものが、偶然にもそこにいた。
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