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「ノォォォォォアアアアアアア!!!」
突如町に雄叫びとも絶叫ともつかない声が響き渡った。
「フフ・・・ノアのお嫁さん、きた」
「嫁じゃねーよ」
最早声からどうとかの話じゃない。まだまだ子供とはいえ、仮にも大賢者の俺を町中で呼び捨てで大声で呼べる人間なんて、俺の知るところ一人しか思い当たらん。
まぁ、なんであれ、やるべきことはただ一つ。
「んじゃ、後は頼んだ。またな」
「また・・・フフ」
転移でなるべく見つからないところへ逃げる!
「あいつに捕まったら、面倒だからな・・・」
いい感じの森の奥地を見つけ、木陰に身を隠し、幹越しに森を見渡して誰もいないか確認する。
静まりかえった森の中、見渡す限り人影はなくホッと一息付いた。
「よし、ここまでくればだい」
「ここまでくれば何かな?」
その声と同時に背中を焦げ付くような熱気が捉えた。
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