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Nside
ピンポーン…ピンポーン…
「…誰…」
こんな朝早くから…
迷惑な;
と愚痴を言いながら
俺はベッドから抜け出して
玄関のドアを開けた。
「おはよー。」
「なんだ…蒼葉さんか…
何ですか、こんな朝早く
近所迷惑。」
「ふふ。
どうしても…朱雨くんに
会いたいって人が居てね」
「…朱雨さんなら
まだ寝てますし…
第一……」
あの人は今…
精神が不安定な状況にある。
だから今、知らない人に
会わせたりしたら…
怯えてしまうかも知れない。
俺は…朱雨さんが
怖いなら…強いることは
できないから…。
「きの…お客さん……?」
「あ…朱雨さん…
起きたんですか…」
「…朱雨くん。
この人、どうしても
朱雨くんに会いたいって
いうからさ…」
きょとんとした顔で
蒼葉さんの後ろから
顔を出した白衣姿の青年に
朱雨さんは警戒を示した。
「篠崎瞬(シノザキシュン)です」
「……」
「朱雨くん
この人はオイラの
助手…みたいなのかな?
大丈夫だよ、信頼してるから」
俺の手をぎゅっと
握ったまま離さない朱雨さんは
心なしか震えているような
気がした。
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