何方様?

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怯むな俺… 相手はロボだぞ? 恋心なんかロボに抱いていいのか? 「…?」 「あ…そういえば…俺、名前黄野夜颯登っていうんです」 「きの……」 「きのや、はやと…」 「きの……?」 首を傾げて俺をずっと見つめる朱雨さんは…俺の心拍数を徐々に上げていった。 「お腹すいた……」 そういって俺を指差す。 「俺ですか?」 「コクン…」 「…すいてます。」 「作りますか…」 「作れるんですか!」 「……多分です」 多分かよ! はっきりしない朱雨さんに心の中でつっこむ俺。 キッチンに連れて行ってエプロンをかけてやると目をぱちっとさせて。 「きの………座っててください…?」 物凄い力で押されてソファに座る。 ロボットなのだから、料理ぐらいできるだろう。 暫くして。 がしゃーんっ!! 「な、朱雨さん!?大丈夫ですか!?」 キッチンの床にぺたんと座り込んだ朱雨さんは自分の血で真っ赤な手をみてぺろっと舐めた。 「手当てしましょう?」 「できて…ない、はんばぁぐ」 ハンバーグの言い方が可愛すぎるっ ぐさっと刺さるぐらい強烈な可愛さに倒れそうになるが。 まず、この血塗れのロボをどうにかせねばならない。 .
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