~決闘~

7/14

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
俺を励まし、 死を考えた俺を救ってくれた男の名前は工藤景紫(くどうけいし)。 レジスタンスのリーダーにして工藤蓮の息子。 彼は自殺をすることで責任を逃れよう、 肩にかかる重荷を下ろそう。 そうしようとしていた俺に、こう言ってくれた。 「お前の価値は何処にあるんだ? 行政執行部長のイスの上か? そんなものは人が作ったもんだ。 どうしたって人間自体を越える価値は無いよ。 なのにお前は、行政執行部長というただの役職に殺されていいのか? お前にプライドがあるんならそんなものに殺されて良いはず無いよな? 確かにお前が罪悪感を覚えるのも無理はない。 他人からすればお前のやってることは非人道的と言われても仕方が無いさ。 でも、死んだら全部終わりだぞ。 新しい時代は、これから俺達が作るんだ。 気付いてるだろ? 今の日本は狂ってる。 俺は日本を潰す。 革命を起こす。 再び政府打倒組織を作る。 お前は今、たかが行政執行部長として死ぬことはない。 俺と共に日本を作ろう。 結果はどうなるかわからない。 ただ死ぬんなら俺と闘ってそこで死ね。 鍵宮使希として死ね。 行政執行部長として死ぬなんてただの犬死にじゃないか。 今もしお前に誇りが無いなら、 これから見つけろ。 その為になら命をかけられるだけの誇りを見つけるんだ。 とにかく死ぬのは今じゃ無い」 俺はこの言葉に救われた。 更に景紫は続けた。 「俺はもう一度レジスタンスを立ち上げる。 お前も入ってくれ。 もう流音も承諾済みだ。 一緒にこの腐った世の中を叩き潰そう」 流音というのはは松島流音(るおん)。 松島栄作の娘で俺と景紫の幼なじみだ。 「レジスタンスって…あれはもう…」 「あぁ。 捕まれば決闘法に基づいて死刑決定だ。 だけど賭けるだけの価値はある」 「自衛隊とやりあうのか?」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加