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遥は今友達の桃川 恵さんと東京ディズニーシーに遊びに来てるみたいだった。
遥と桃川さんはいつもいっしょにいる親友的存在。
桃川さんもまた熱烈なディズニーファンで年パス保持者である。
「……んで、その桃川さんとはぐれたと…」
「だぁって!!恵ったらジャッフィーがどうとかいってスタスタ歩いちゃって!!私店の中散々歩き回ったんだよ!?」
…まぁ…ジャッフィーとやらが何かについてはまた後で聞くか……。
「それだったらオレじゃなくて桃川さんに電話するべきだろうが!!」
「…だって…恵が待ち受け用にって携帯で写メをいっぱい撮ってたら…電池なくなっちゃったみたいで……」
「……なーるほど。」
でもこれだと彼女たちを会わせるのは相当やっかいだな…
「あっ!! でもね!!!」
思い出したように彼女は続ける。
「なんか恵がもしも迷った時の集合場所言ってたよ!!! えと………たしかおっきな船で……煙突がある……やたらと大人びた名前の船だった……ような………うぅむ…」
大人びた名前?
東京ディズニーシーにおいて目印になる煙突のついた船は一つしか思い浮かばないが…
……大人びた名前がひっかかるな…。
「………ひょっとしてS.S.コロンビア号の事か?」
「そう!! それ!! S.M.コロンビア号!!!」
「…おい。」
「すごいね!! 流石だよかおる!!これだけのヒントでよくわかったね!!!」
「……おーい。」
「…ん?なにー?」
「なにじゃない!! なんで18禁にしちゃったんだ!! S.S.だ!! S.S.!!」
「…あれ……ちがった?……ど…どーりで大胆な名前だなぁと思ったんだよねぇ」
なんか目が泳いでいるのが簡単に想像できた。
「ったく…とりあえず今いる場所を詳しく説明しろ。ナビしてやっから」
「ほんと!? いやったー!!流石かおるさまー!!! こんどコロッケパン奢ってあげるねー!!!!」
ったく
こいつは頭は悪くないんだが、どうも手のかかる子供みたいな感じて放っておけない。
「ちなみにオレはメンチカツ派だかんな。」
そんな
この日がきっかけとなるとは誰しも思わない。
彼と彼女のちょっとした恋物語の始まりであった。
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