崩壊する日常

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「地球を再生した人類でしたが、それからというもの――」 火星都市ネスト そのネストにある工業高校の一室に教師の声が響いていた。 「なんで就職組の俺達が歴史なんか、なあアルギスそう思わねえ?」 「まったくだ、こんな勉強するんならCFの操縦訓練の時間増やしてほしいくらいだね」 茶髪の少年が銀髪の少年に声をかけるとボサボサの銀髪で藍色の目の少年、アルギスと呼ばれた少年はそれに応えた。 しかし、授業中の私語が許可されている学校などそうは無いわけで。 「こらそこ、私語を慎みなさい、アルギス君、いくらCF操作成績トップでも授業態度が悪いと――」 「おっと、すみません」 この後も授業が続き、放課後になれば家に帰って荷物を置いて友達と遊びに行く。 それがアルギス、火星に住む一人の少年にとっての普通の日常だ。
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