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「なんだ?」
先ほどの事故現場付近まで後数十メートルというところだろうか、突然街全体に警報が鳴り響いた。
この町で育って十数年、アルギスにとって初めてのことだ。
「なんだ、何が――」
バイクを止めたアルギス、その上空を軍用CFが飛び去っていった。
手には銃を持ち明らかに戦闘体制だ。
「ディルム? 軍用CFがなんで、まさかテロってか? ……どうする、とりあえず父さんのとこに――」
バイクを再び父の職場の方向に向ける。
そんな時だ、軍用CFの飛び去った方向から小さくだが確かに爆発音が聞こえた。
「マジかよ」
このとき、なぜかアルギスは軍がテロリストを撃破したのではなく、迎撃に出たCFが撃墜されたと感じた、見たわけではない、ただそう感じたのだ。
バイクを加速させるアルギス。
今まで歩んできた日常が崩壊しようとしていた。
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