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街に警報が鳴り響く十数分前、ネストの領空に近づく機影があった。
その機体の中でパイロット達の通信が行われていた。
『中尉、そろそろ領空です』
「そうね、各自それなりの戦果を期待するわ、揚動お願いね」
部下らしい男の通信に、隊長らしき女性、というよりは少女が応答した。
そして乗っている機体のコックピットに表示されていたネスト領空までの距離が0に近づいていく。
そして、少女の部隊は前方に火星軍の軍用CFディルムの姿を確認するのだった。
「対応が遅いわね、ほんと平和ボケしちゃってさ……各機散開、作戦開始よ!」
『了解!』
照準を前方の敵に定め操縦桿の引き金を引く少女。
コックピットに引き金に連動して放たれたビームの光が反射する。
敵を見据える少女には先ほどまでのようなあどけなさは一切なくなり、いつしかその表情は戦場に立つ兵士のそれへと変化していた。
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