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「やっぱりテロか何かですか?」
「いや、そんなちゃちなモノじゃない」
ラツィオの言葉にアルギス疑問を覚えた、テロを些末な事と言うのは変ではないか? そう思ったのだ。
「まだハッキリ分かった事じゃないが、ターミナルからの情報だと木星圏の連中の侵略行為だそうだ。
いいかアルギス君、これはテロじゃない、戦争だ」
ターミナル、この時代に存在するリアルタイムネットワークの事だ。
民間の些末な情報から、何重にも張り巡らされているプロテクトに守られた軍事や政治にまつわる情報まで、ありとあらゆる情報を統括している演算処理システムの通称でもある。
「戦争って、そんな」
平和な日常を暮らしてきた高校生にはにわかに信じがたい事だった。
しかしこの時代における人類の生活圏、地球から木星を結ぶネットワークであるターミナルの情報ともなると信じるしかなかった。
「僕は親父さんを探すから、アルギス君は早く逃げなさい、良いね」
そう言うとラツィオはアルギスに背を向けて走り去って行った。
鳴り響く警報が事の重大さを報せている。
バイクに再びまたがり、シェルターに向かおうとグリップを握った、その時。
アルギスの頭上を見た事の無いCFが飛び去って行った。
「火星のCFじゃない、まさかもう突破された!?」
飛び去るCFを目で追っていると、風が凪いだ。
それはすぐに暴風になりアルギスを襲う。
「これは――」
アルギスの前に先ほどのCFとはまるで違う機体が現れたのだ。
赤い機体だった。
甲冑のような頭部も機械で構成された翼も、女性の体を模したような胴体も、全てが赤い機体だった。
「アルカナ……フレーム」
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