01.

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「郁ー?遅刻するよ?」 そう言って郁の部屋を訪れたのは、相葉 香織。 郁の唯一の家族だ。 父は郁が小さいときに離婚して居なくなった。 「…かあちゃん…水。」 モゾモゾと布団から這い出て、起き上がる。 酒を飲んだ次の日は物凄く喉が渇く。 「また飲んできたの?」 はい。と既に持ってきてた水を郁に渡すと、困ったように眉を下げる。 「お母さんはもう行くから、郁も学校行ってね。」 「大丈夫、行くよ?休んだことないじゃん」 空になったコップを香織に渡すと、背を伸ばす。 香織は、【Queen 】という高級ヘアサロンを経営している女社長。 郁のカツラもここで作っている。 香織はそそくさと準備をすると、仕事にいってしまった。 「さて、お風呂入ろ」 そう言って風呂場へ向かう郁。 只今、午前9時。
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