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郁が学校に着いたのは、時計の針がちょうど12時を指した頃。
ゆっくり風呂に入り、ゆっくり準備をする。
郁は何時もマイペースだ。
東部第一高等学校。2年2組。
此処が郁の通う学校。
郁の居る町は大きく3つに分けられる。
東部、中部、西部。
東部にも高校が3つあり、そのうちの一つが此処。
第一は偏差値が低く、いわゆるヤンキー学校。
昨日の源と龍哉も此処の三年生だ。
「郁!相変わらずおせー!」
笑って出迎えたのは、1年の時からの友人。井出 直斗。
「寝坊した」
弁当を食べてる直斗の横に座ると、郁も鞄からパンを取り出す。
「なぁ、知ってる?黒龍の総長が女神を探してるらしいぞ。」
パンに食らいつく郁の口が止まる。
直斗や源たちは、郁が女神だと言うことを知らない。
もちろん知っているのは、郁本人だけ。
「なんでも、金髪に青い目してんだって!まじ女神様!ってかんじだよなぁ」
龍哉がそれを信じてるなら、幸い。
郁に目が届くことは無いだろう。
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