01.

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郁が学校に着いたのは、時計の針がちょうど12時を指した頃。 ゆっくり風呂に入り、ゆっくり準備をする。 郁は何時もマイペースだ。 東部第一高等学校。2年2組。 此処が郁の通う学校。 郁の居る町は大きく3つに分けられる。 東部、中部、西部。 東部にも高校が3つあり、そのうちの一つが此処。 第一は偏差値が低く、いわゆるヤンキー学校。 昨日の源と龍哉も此処の三年生だ。 「郁!相変わらずおせー!」 笑って出迎えたのは、1年の時からの友人。井出 直斗。 「寝坊した」 弁当を食べてる直斗の横に座ると、郁も鞄からパンを取り出す。 「なぁ、知ってる?黒龍の総長が女神を探してるらしいぞ。」 パンに食らいつく郁の口が止まる。 直斗や源たちは、郁が女神だと言うことを知らない。 もちろん知っているのは、郁本人だけ。 「なんでも、金髪に青い目してんだって!まじ女神様!ってかんじだよなぁ」 龍哉がそれを信じてるなら、幸い。 郁に目が届くことは無いだろう。
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