01.

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全く進まない食事を諦めて、郁はパンを鞄にしまうと席をたった。 「眠いからサボる」 とにかく今は冷静に考えたい。 一人、屋上にでも行って落ち着くか。と思ったのも束の間。 直斗も付いてきた。 午後のチャイムが鳴り、授業の開始を知らせる。 「女神って本当何者だろ」 何人か生徒の残ってる屋上で郁達は寝転び、空を仰いでいた。 先に口を開いた直斗。 未だ女神の話を持ち出している。 「なぁ、直斗。お前が女神だったら探されてどうする?」 「んー?どうするかなぁ…」 郁が女神として町に出るのには意味があった。 探し出したい人が居る。 「…普通にしてるかな」 そう言う直斗。 「あ!やっぱり誰かに守ってもらうかも!女神ってさ、喧嘩しないじゃん。弱いのかも知んないし、守って貰うかも」 源さんにしてもらったようにと笑う直斗は、本当に源を慕っている。 確かに郁には喧嘩を出来るような力はない。 それでも、正体を突き止めようとするやつとは戦わなくてはいけなくなる。 助けを求めるしかないか。 「直斗。今日僕んち来いよ」
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