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「めーちゃん!今日俺ら黒龍とやりあわなきゃいけねぇんだ!御願い!味方について!」 そう言って女神に手を合わせて御願いしてくるのは、黒龍に喧嘩を吹っ掛けた【trouble】の総長。武田 源。 「げーん?お前が吹っ掛けたんでしょ?やだよー。」 女神は煙草に火をつけると、目はフードで見えないが口元だけ笑った。 喧嘩を吹っ掛けた方の味方には付かない。そう決めたのは誰でもなく女神本人。 普通、勝てる相手にしか喧嘩を吹っ掛けない暴走族たちは、吹っ掛けた方を悪とする。 そのため負けるで有ろう方に味方するのだが、これまた味方すると勝ってしまう。 「そうだけど、勝てるわけないじゃんー!」 じゃあなんで吹っ掛けたんだよと、言いたくなるのを堪え、女神は「うーん」と考え出した。 「…今回だけいいけど?」 もしこれで負ければ女神と呼ばれる事も無くなるかもしれない。そう思っての事だった。 「よっしゃー!女神がtroubleについたぞぉ!!」 源が叫ぶと、一気に沸き上がるクラブ。女神コールが始まった。
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