126人が本棚に入れています
本棚に追加
女神コールが鳴り止まないクラブを後にすると、女神は家路についた。
絶対負けると思ってた黒龍との喧嘩。
意外にも負傷者は少なく、黒龍が連れてきたメンバーも弱いやつらだったということか。
クラブにいた男等全員と黒龍では、人数の差が激しかったがそれでも五分五分と言うことは黒龍の強さが半端ではないと言うことだ。
「…だれ?」
今日の結果に納得のいかない女神はずっと下を向いたまま歩いていた。
それでも前に立ちはだかる男が誰か分かる。
黒龍総長 安西 龍哉
「お前、女神だろ?」
先程わざと負けた男。
何を考えているのか分からない。
「…そうだけど、何?」
自分で女神だと名乗りたくない。
一刻も早く此処から立ち去りたいが、一歩一歩女神に近付いてくる龍哉。
「フードをとれ。」
「…いやだね」
とってもどうってことないが、素顔を知られ日常を平和に過ごせなくなる可能性がある。
「お前、何者だ?」
女神のフードに手を掛ける龍哉。
「…気になる?
なら僕を見つけて」
フードに掛かった手を払い退けると、自分でフードを外した。
露になった女神の顔。
金髪にブルーの瞳。
「お前…」
「触らないで。」
伸びてくる龍哉の腕を避け、走り出す。
その後ろ姿を見つめて動けない龍哉は、何を想う?
最初のコメントを投稿しよう!