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黙々とパンをかじり、ミルクコーヒーをすする。口の中がもやもやと甘い。
メロンパンの屑がはらはらと落ちて僕の黒いコートに模様を作る。
ちなみに僕の服装は濃い灰色のTシャツにジーンズ、黒いダッフルコート。
キリンさんはくすんだ小豆色のシャツに黒いパーカー、そしてカーゴパンツ。
コートは着ない。一年中、暑い日も寒い日も、この格好だった。
時計は7時3分。
鳥がピーチクパーチク言っているのが、煩わしくも心地よい。
「今日は?どうすんの」
パンもコーヒーも消費してしまったキリンさんが、ばさり、新聞を広げながら沈黙を破った。
僕はかばんから緑の表紙のノートを取り出して、ぱらぱらめくる。
「お金は一応まだ足りてるから、今日はすぐに移動かな」
「ふーん」
キリンさんは、自分が聞いたくせに興味なさそうに生返事をする。
いつも通りの朝。
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