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朝の町は静かだ。
硬質な白い光がアスファルトの黒に注ぐ。
100メートルも歩けばコンビニがある。昨日確認しておいた。
自動ドアがウィーンと開いて、わっと暖かい空気に包まれる。血液が体中を巡りだすのを感じる。
爪先に熱がじんじんと響く。
いらっしゃいませえ、とやる気なさそうな声を聞きながら、店内に入った。
棚の間をふらふら歩いて、菓子パンと紙パックのミルクコーヒーを二つずつ持ってレジへ向かう。
ああそうだ、新聞も買っておこうか。
相変わらずやる気なさそうに僕が置いた商品のバーコードにレジをあてていた店員は、値段を告げようとふと顔を上げて、
「あ」
と言った。
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