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「はじめまして、三椎 黄泉です
(みつい よみ)
みなさん
よろしくお願いします」
セミロングウェーブの金髪を
フワリと揺らし、
線のような細い目をした彼女は
軽く礼をした。
辺りからはコソコソと、
彼女を賛美する声が聞こえてくる
「席はあそこだ」
担任の先生は奥の席を指差し、
黄泉に座る場所を教えた。
するとクラスのコソコソ話は、
賛美から心配する声えと変わった
「上代の隣だぜ? 大丈夫かよ…」
「さすがにあいつも
女には手はださねぇよ…」
「でも何十人もの女を
ヤッたって話も…」
話の人物、上代悠希は
(かみしろ ゆうき)
聞こえる噂を全て無視し、
頬杖をつきながら、
黄泉のことを目で追っていた。
体格はガッチリしており
更に長身で、恐持て、
まさに恐怖の象徴のように
クラスで扱われていた。
「今日からよろしく、上代君」
「…」
悠希は何も言わず黄泉を
視点からゆっくり外した。
クラスは何事もなく
全員がホッとしている中、
当の悠希は…
(やっば…
めっちゃ可愛いじゃねぇか。
なんで俺
挨拶返さなかったんだよ
印象悪いじゃねぇか…)
彼女に惚れていた。
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