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三椎黄泉は凄かった
転校してきたばかりだと言うのに
抜き打ちのテストや
難しいと言われる問題を
難無く解き、
スポーツでも
回りとは一線を超えた
センスを持っていた。
午後になると
まるで前からいたかのように
クラスに溶け込み、
人気者にへと変わっていた。
「俺とは全然違う…か」
「何か言ったか?」
「何でもねーよ」
悠希の唯一の友達の
相田 洋平は、
(あいだ ようへい)
急に何か言った上代に
声を掛けたが、
悠希は振り払うように
言葉を返した。
「そういや転校生きたんだって?
かなり可愛いらしいじゃん」
「ん…まぁな」
「知らない、じゃなくて同意か…
まさかお前、惚れたか?」
「ねーよ」
悠希は飲み終えた缶を
ごみ箱に放り投げた。
「別に俺達高二なんだぜ?
少しは恋したって…」
「お前、上代だな?」
二年の休憩スペースに
三年と書かれたバッチを付けた
男三人がやってきて、
洋平に向かってそう言った。
「あー…」
「ここ二年の休憩場所何ですけど
何か用ですか?」
洋平と男達の間に
悠希は割って入り、
洋平を後ろに下がらせた。
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