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「まったく、
最近はしつこいな…」
「そりゃ
学校のグループに喧嘩売れば、
こうなるだろ?」
「喧嘩は買い取りしか
してねぇよ」
「自称喧嘩嫌いだからな」
「別に何もしてないのに
勝手に仕掛けてくるんだ。
だったら反撃するだろ?」
悠希は本当に
仕掛けてきた奴らだけしか
殴ったことがなかった。
が、逆に
仕掛けた奴ら全てをぶん殴り、
一度も敗れるどころか、
次第に悠希は喧嘩に慣れ
手に追いつけないほど
強くなっていた。
それでも今のように
喧嘩を売られるのは日常茶飯事で
性懲りもなくやってくる奴も
山のようにいる。
「なんでリピーターが
つくんだろうな?」
「そりゃお前が
相手を一発しか
殴らないからだろ」
「いいじゃねぇか
一発殴ればノックアウトだぜ?」
「逆に考えれば
お前に喧嘩売っても
一発以上は殴られない
ってことだろ?
だからくるんだよ
一発覚悟で戦って
勝てば英雄だからな」
洋平の言うことも
理解できないわけではないが、
それでも喧嘩が嫌いな悠希は
相手を必要以上に
殴る気にはなれなかった。
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