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とある修道院の暗い小部屋で、布団をかぶり真ん中を蝋燭で照らしながら少女2人と少年1人が、寝ている周りを起こさないようにか、聞こえないようにか、まるで秘密ごとを話すかのように小さく話していた。
「ここの修道院の何処かに誰も知らない地下への道があって…そこには吸血鬼が眠ってるんだって!」
楽しそうに話す少年の頭ををブロンドの長い髪の少女が叩く。
「いて!なにす―――」
「それはこっちの台詞よ、ルイ!意味分からない、根拠もない変な噂を真に受けないの!」
ルイと呼ばれる少年は不機嫌そうに叩かれた場所を擦りながら叩いた本人を見つめる。
そこに、一番小柄な茶色の髪の少女が不安そうに呟く。
「でもさ…最近ここにいる子供の人数が減ってきてるのも事実だよね…」
その少女の言葉に2人は顔を見合わせて黙り込んだ。
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