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書道なんて無くなれ。
バレンタインデーと一緒に燃えて無くなれ。
すっかり暗い寒空の下、顔同様、真っ赤になった鼻を啜りつつ、一人の少年が北風と共に走り抜けた。
少年の名前は『松下 葉』
何故、彼が日本の伝統である書道を《無くなればいい》と思っているのか。
その原因は10分ほど前のことにある。
彼は書道教室に通っているのだが、そこで今日、ある課題が出された。
『自由』
自分の書きたい字を自分の好きな様に書く、といった課題である。
皆が『自由』という課題に困惑している中、葉の目は燃えていた。
来た。ここで俺の実力を見せてやる、と。
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