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―コトッ。
俺は冷めたお茶を飲み干し、湯のみを置いた。
じいちゃんが話し始めて3時間ぐらい経っていた。
簡単にまとめるとこうだ。
・俺の先祖は売れない陰陽師…らしい
・阿部家は代々陰陽師家業をほそぼそと続けて来た…らしい
・17歳になった俺はそれを継がなきゃいけない…らしい
・安倍晴明と俺、阿部清明はまったく関係ない
(じゃあなんで似た名前付けたんだよ)
こんな所だ。実際に信じがたい話だし、じいちゃんの妄想だと思った俺はじいちゃんの話に付き合ってやる事にした。
「それで、俺は何をすればいいの? 俺、陰陽師なんて名前ぐらいしか知らないよ?」
「それは大丈夫じゃ。お主のケータイを貸せ」
俺はじいちゃんにケータイを渡す。じいちゃんは俺のケータイを操作し始めた。
「これで良し。ほれっ」
じいちゃんは俺にケータイの画面を見せた。
「陰陽道入門?」
「うむ。このサイトはワシが作ったサイトでの、お主のようなモノでも簡単に陰陽師家業が出来るコンテンツが充実しておるんじゃ。無論このサイトに入る為にはパスワードとIDが必要じゃ。簡単ログイン設定はしておいたぞ」
そう言って俺にケータイを返した。俺は結構しっかり出来てるサイトを見て、色んなな意味でじいちゃん大丈夫かな? と本気で思った。
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