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俺は昨日の出来事を陣に話した。
「ふーん、お前のじいちゃん、ファンタジーだな」
「他人事だと思いやがって」
俺はケータイの待ち受け画像を陣に見せた。
陣の目が俺のケータイを見つめる。その目線がそのままケータイを持つ俺の左手に移動したのに気付いた。
「あぁコレ。早速着けさせてもらってるよ。改めてありがとな」
「おう。似合ってんじゃん」
陣は笑顔で答えた。
「実は俺、陣以外は誰からも誕生日を祝って貰ってねーんだよ」
俺は自虐的に言った。
「あぁ、お前もじいちゃんに似て結構ファンタジーだからな」
「やかましいっ」
相変わらずひと言多いんだよなぁ、陣は。
「まぁ、せっかくだから、じいちゃんに付き合ってやれよ。別に話を合わせるだけだろ?」
「…それがそうでもないんだよ」
俺はケータイの受信フォルダを開いて、陣に見せた。
【陰陽道よりお知らせです。あなたの目の前にいる人は妖怪です。直ちに退治しましょう】
「…マジで? 今日届いたの?」
俺は無言で頷いた。
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