陰陽道其の一

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―ガチャ。 「ただい……じいちゃん、何その格好?」 俺が家のドアを開けるとじいちゃんが着物? を着て仁王立ちしていた。 「うむ。清明こっちに来い」 じいちゃんは俺の質問に答える事なく、振り返り自分の部屋に歩いて行った。 俺も仕方なくじいちゃんを追いかける。 「…じいちゃん、ずっと玄関で立ってたの?」 これもスルー。 俺はじいちゃんに続いて部屋に入った。部屋に入るとお香? の匂いが俺の鼻をくすぐる。 「清明、そこに座れ」 俺はじいちゃんに促され鼻を擦りながら座布団の上に座った。 じいちゃんの部屋には掛け軸やらツボやらが沢山置いてある。 (これ、売ったらいくらになるのかな?) 俺がそんな事を考えていると、じいちゃんは戸棚から巻物を1つ取り出して俺の前の座布団に座った。
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