11人が本棚に入れています
本棚に追加
―ガチャ。
「ただい……じいちゃん、何その格好?」
俺が家のドアを開けるとじいちゃんが着物? を着て仁王立ちしていた。
「うむ。清明こっちに来い」
じいちゃんは俺の質問に答える事なく、振り返り自分の部屋に歩いて行った。
俺も仕方なくじいちゃんを追いかける。
「…じいちゃん、ずっと玄関で立ってたの?」
これもスルー。
俺はじいちゃんに続いて部屋に入った。部屋に入るとお香? の匂いが俺の鼻をくすぐる。
「清明、そこに座れ」
俺はじいちゃんに促され鼻を擦りながら座布団の上に座った。
じいちゃんの部屋には掛け軸やらツボやらが沢山置いてある。
(これ、売ったらいくらになるのかな?)
俺がそんな事を考えていると、じいちゃんは戸棚から巻物を1つ取り出して俺の前の座布団に座った。
最初のコメントを投稿しよう!