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そして数年の月日が流れ少年は大きくなった。
しかし側にあの女の姿はなかった。
少年は何時かの様に空を見上げていた。
「おばあちゃん…」
少年が暗くそう呟くと
『拓ちゃん、おばあちゃんは何時もお前を見守ってるからね。それとあの夢を叶えるんだよ』
居ない筈の女の声が頭の中で響く。
今屋敷の中では可愛がって貰っていたお婆ちゃんのお通夜をしている。
屋敷の中からお経を唱える声が淋しく聞こえてくる。
「拓哉、お婆ちゃんにお別れの挨拶をしなさい。」
奥の方から少年を呼ぶ声が聞こえ少年は立ち上がり駆けていく。
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