想いは桜色

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   俺はノートを山の上に戻すと、飛鳥ちゃんのペンをちょっと拝借する。そして飛鳥ちゃんが今開いているノートに、一言だけ気持ちを伝えた。 『ごめんね』  俺は俺自身に、けじめをつけなきゃならない。  痛みを恐れて逃げたくない。駆け寄ってくれる距離に、甘えちゃいけない。  俺は決心して、とりあえずこの場を出た。  昼休み、和やかな二年生のクラス。俺が勢い良くドアを開いたせいで、クラス中がドアに注目してしまった。 「い……岩瀬 飛鳥さんいますか!?」  恥ずかしい、なんて言ってられない。俺がうわずった声を掛ければ、飛鳥ちゃんの友達が飛鳥ちゃんに何か話していた。 「あιあのιι…先輩…何か御用ですか?////」  俺はとにかく、頭を下げる。まずは謝らなきゃ! 「あの……ごめん! 俺、勝手に変な勘違いして、飛鳥ちゃんを避けてた。飛鳥ちゃんは、何も悪くないのに……本当にごめん!」  
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