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「見てたワよ、浩ちん」
オカマ口調で、俺の背後からじとりと視線を送るこの男。
「剣介、先に言うけど、クッキーはやらないからな」
この面倒臭い男は、幼馴染みで同じ剣道部の斉藤 剣介。いつの間に背後に回ったんだよ、こいつは……
「失礼ね、そんな野暮じゃないワよワタシ! っていうか、そんな事が言いたいんじゃなくてぇ」
剣介は前に回り込み、竹刀を俺に突き付けた。
「浩太朗、こんっなに分っかりやすいアピールされてて、いつになったら告るんだよ!」
オカマ口調から普通の口調に戻り、剣介は俺を叱咤する。
「なんでそんな事、剣介に言われなきゃいけないんだよ……大体告白なんて、まだ早いし」
「甘い! いいか浩太朗、ウチの剣道部はムサいんだぞ! 野郎ばっかりで、唯一の女子はビバ☆ゴリ子!」
「そんな失礼な言い方……」
「だがそれが現実だ……そんな中にひょっこり現れた飛鳥ちゃんは、まさしく天使そのもの!」
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