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飛鳥ちゃんの友達は、親切に飛鳥ちゃんの行方を教えてくれた。そして、逢斗の行方も。
「飛鳥ならついさっき逢斗先輩とどっか行きましたよ?」
「逢斗先輩…何か妙に明るい感じでしたけど…ι何かあったんですか?ι」
その言葉に、聞き流したはずの剣介の声が、俺の頭に過ぎった。
(そういえば剣介、逢斗が飛鳥ちゃんを気にしてるって……いや、剣介の考えすぎ、だよな)
俺は首を振り、嫌な予感を断ち切る。そして、誰かを呼び出す時に使いそうな場所――校舎裏とか、屋上を探そうと決めて駆け出した。
案の定逢斗は屋上にいた。
「逢斗、ちょっといいか――」
俺は考えなしに声を掛けた、けれど。
「――飛鳥ちゃん…僕も君の事が好きなんだ。両想いなんだよ♪マイハニ~♪」
歌っているかのような上機嫌な逢斗の声。それは確かに、二人が両想いだと告げていた。
両想い? 飛鳥ちゃんと、逢斗が?
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