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突然魔物が苦しみだした。
ドシャッ…
魔物の体が溶け始め、足が不自然な方向に曲がり、崩れるように倒れる。
体は腐敗し、腐り落ちながらドロドロとした液状の物へと変貌していく。
「さすがに腐ってもSランクですね、まだ生きていますか。」
木の影から一人の青年が姿を表す。
…さっきの栗色の人だ。
「あれ、…逃げたんじゃ…?」
「逃げましたよ?Sランクの魔物、しかも馬鹿みたいなスタミナと攻撃力だけでSランク指定されてるような相手に、姿を見せるような愚行はしませんよ」
栗色の人は平然と言い放つ。
「私を置いてったのは…」
「もちろん囮にする為です」
頭の中が熱くなるのを抑えて、…頭が沸騰するかと思うほどの激情を無理やり抑えつけて、
あくまでも冷静を装いながら私は栗色の人へ問う。
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