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そんな高価な物を飲ませてくれて、しかも全部飲んでしまったのに許してくれるなんて。なんて優しい人なんだろう。
「あの、本当にすみませんでした」
私は自分の軽率な行動を深く反省して謝る
「気にしないで下さい」
続けて栗色の人はこう言った。
「一口分以外の代金はちゃんと頂きますから。」
「え?」
あれ…?"気にしないで"って、お金はいいっていう意味じゃなかったの…?
確かエリクサーって人差し指くらいの大きさの小瓶に入ってる分で大体50万Gはするよね…?それが水筒いっぱいの量って…
不意に頭の中が真っ白になる。
「あ、あの。そんな大金持ってないです…」
「ん~、それなら働いて少しずつ返してくれれば……ん?」
どうしたんだろ?
彼の視線の先には私の胸元が…
「…っ!」
まさか体で返し「そのペンダントをくれるなら、それで手打ちにしてもいいよ?」
「………。」
「ん?どうかしましたか?」
「いえ。なんでもありませんナントモアリマセン。」
「?」
若干赤くなった私の顔を見て栗色の人が心配そうな顔をする。
まさかそんな勘違いしてたなんて、恥ずかし過ぎて口が避けても言えない。
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