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「じゃあ、一回着替えましょ。」
「えっっっ!?」
母親が衝撃的な言葉が発せられ、ケビンは目を丸くした。
ケビンの額は冷や汗でいっぱいだった。
「いや、まだ良いよ。」
ケビンは苦笑いをしながら断ったが、母親は聞く耳を持たずに部屋のタンスを開け始めた。
「ねえ、良いってば。ねえったら!」
ケビンが必死に呼びかけるも母親は全然聞こうともしないで、せっせと着替えを出し始めていた。
「ほら、出したから着替えなさい。」
母親はTシャツ、ズボンを一枚ずつ寝ているケビンの目の前に差し出した。
「今はまだ寝てたいから良いよ。」
「わがままを言うんじゃありません。」
ケビンが反論するのも束の間、母親はケビンが羽織っている毛布を無理矢理剥がしにかかった。
「ちょっ、母さん止めてよ。まだ僕は寝てたいんだ。」
ケビンは必死に抵抗していた。
「何か騒がしいが、そろそろ学校に行かなくて良いのか?」
口髭を蓄え、少々禿げた中年の軍服を着た男がズカズカとケビンの部屋に入ってきた。
「あっ、マイク。この子ったら風邪引いて汗掻いてるから着替えさせようと思ってるのに抵抗するんですよ。」
母親が毛布を引っ張りながら中年の男・マイクにそう答えた。
「なに!?ケビン、男の子は言うこと聞かなきゃいかんぞ。」
マイクはケビンを睨んだ。
「違うんだ、そうじゃないんだ。今着替えたら大変なことになるんだ。」
ケビンが抵抗しながら叫んだ。
「問答無用、そんなのでは軍から罰せられるぞ。」
マイクも、母親と一緒にケビンが被っている毛布を剥がし始めた。
「止めてよ。母さん、父さん!!」
必死の抵抗むなしく、ケビンの毛布ははぎ取られて、マイクと母親は毛布を掴んだまま尻餅をついた。
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