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「ケビン!?お前、まさか………。」
「いやああああああ!!」
毛布を剥がされたケビンを見たマイクは目を丸くし、母親はこの世のものとは思えないものを見たかのように叫び声をあげた。
無理もないケビンの姿は本来あるべき人間の姿ではなく、首から下が全身魚のウロコのようなもので覆われていて両手には水かきが発達していて、まるで昔読んだおとぎ話に出てくる半魚人のような姿だったのだから。
「最近プールに入ってたら出てくるようになったんだ。最初はヤスリとかカッターで削り落としてたのに、今朝起きたら全身に生えそろってて………。」
ケビンが肩を震わせ、右手で左腕のウロコ群を触りながら説明しているとマイクが強くケビンを抱きしめた。
「気づいてやれずに済まなかったな。だが、もう無理しなくて良い。父さん達が付いてるからな。」
マイクはケビンを抱きしめながら息子を落ち着かせるように諭した。
少しばかり時間が経ち、やっと落ち着いたのかケビンは肩を震わせるのを止めた。
「ケビン、学校には私から言っておく。あとのことは私に任せて、ゆっくり寝てなさい。」
マイクはケビンの肩をポンと叩き、ケビンを持ち上げてベッドに寝かせた。
「ありがとう、父さん。愛してるよ。」
ケビンは毛布をかぶってマイクに向かって言った。
「ああ、父さんも愛してるよ。」
マイクがそう言うと、マイクと母親はケビンの部屋から出ていった。
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