脱却

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「………い。おい、剣人!!」 俺の目の前で手を振ってる黒の短髪の男がいた。 幼なじみの鎧塚 明(よろいづか あきら)だ。 「悪い悪い、少し考え事してて。」 俺は後頭部を右手で掻いた。 遅くなったが俺の名前は雷伝 剣人(らいでんけんと)。高校二年生だ。 そして、ミュータント。 もちろん、ミュータントってことは明には言ってない。 唯一の友人を失いかねないからね。 「昼でも一緒にどう?」 明がいつものように人懐っこい目を俺に向けた。 「ああ、じゃあ学食に行こう。」 俺はそう言って席を立ち、教室から明と共に出て行った。
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