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クロウに忍び寄ったのはまだ若い女の子。
禁止区域にて、横になっている反逆者、クロウ=B=ラックを
「クロくん」と呼ぶ10代後半。いわゆる高校生くらいの女子。
だが学校の制服は着ていない。そもそもこの世界には義務教育が無いのだ。
強いて学校を挙げるというならば、神聖教団を志す者たちが集う〈神聖学院〉くらいだろう。
兎にも角にも、クロウに近づいたのは女の子だった。
「クロくぅ─ん、起きてよぉ」
寝たと思ってクロウの体を揺さぶり起こすが、揺さぶられる本人は嘘寝、起きるはずもない。
中華料理で満たされた胃の逆流に耐えながらも、ぐっすり眠るふりをするのは至難の技。
なのに関わらずクロウは女の子相手に寝たふりを決め込み続けるのだった。
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