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「誰にも見えない透明人間に
死角は無いのだよ!!」
「あ?透明人間?」
マリーの言葉に引っかかりを覚えた。
〈ステルス〉
魔術のひとつ、使用すると魔術による追跡を回避することができる。
この魔術の効果は、マリーの言う透明人間とは似て非なるものだった。
「おい、ステルスの効果言ってみろ。」
「誰からも見られない!!
その姿は無色透明!故に無敵!」
鼻をならし、胸を張って答えた。
殆ど無い胸を張るのはどうか、と思ったがクロウは言わないでおいた。
「違う。」
その言葉に体を使って驚いた。
「なんですと!?」
クロウはガクンとうなだれた。頭をひっぱたく気力もわかず、うなだれるしかなかった。
「お前が言ってんのは
〈インビジブル〉だ。お前にゃ使えない超上級魔術だよ。」
ステルスは魔術による追跡を避け、インビジブルは人の目にも映らない。
マリーは優れた洞察力を備えつつも天然だった。
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