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そして終戦。
結果は神聖教団、神聖騎士団の圧勝に終わった。
この歴史を眺める者は当たり前と考えるだろう。
この時代に生きた人々達の絶望の淵で願う奇跡や、
必死でこれは夢だと思い続ける苦しさを知らないから、
平然に当然と考えるのだろう。
人々はこの惨劇を
〈終末の訪れ〉と呼ぶ。
また神聖騎士団はこの戦いを
〈粛清の聖戦〉と呼んだ。
一方で終末、一方で聖戦と呼ばれるこの忌々しい戦いは、現在まで語り継がれる。
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これは200年間続く神聖教団の
歴史の極々一部。
盛り上がった部分を掻い摘んだに過ぎない。
これから語りだすのは今、現在のこと。
今が歴史的に見て大々的に取り上げる出来事なのか。
またはたった一行で表され、
歴史書の行数を増やすだけの
出来事なのか。
それは誰もわからない。
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