過去~prologue~

5/5
前へ
/74ページ
次へ
そして終戦。 結果は神聖教団、神聖騎士団の圧勝に終わった。 この歴史を眺める者は当たり前と考えるだろう。 この時代に生きた人々達の絶望の淵で願う奇跡や、 必死でこれは夢だと思い続ける苦しさを知らないから、 平然に当然と考えるのだろう。 人々はこの惨劇を 〈終末の訪れ〉と呼ぶ。 また神聖騎士団はこの戦いを 〈粛清の聖戦〉と呼んだ。 一方で終末、一方で聖戦と呼ばれるこの忌々しい戦いは、現在まで語り継がれる。 ────────── これは200年間続く神聖教団の 歴史の極々一部。 盛り上がった部分を掻い摘んだに過ぎない。 これから語りだすのは今、現在のこと。 今が歴史的に見て大々的に取り上げる出来事なのか。 またはたった一行で表され、 歴史書の行数を増やすだけの 出来事なのか。 それは誰もわからない。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加