異世界

3/13

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
薄暗くなったバスの車内。そこに響くのは、反響して大きくなっている歓声。 その歓声を聞き田山高校の面々も、一人また一人と意識を取り戻していく。 「おい。おい。」 片山の身体を揺する振動で、意識を取り戻した轟は困惑した。 エンジン音の代わりに響くのは、大きな歓声であり、先ほどまで光輝いていた東京タワーも窓の外にはない。 代わりに見えるのは、自分たちを囲む白銀の騎士たちだった。 「これはなんなんだ片山。事故?って訳でもないよな!」 「あぁ。」 轟の質問に、窓の外を睨みながら答える。 「なんだよこれ!どこなんだよこれは!えぇ!?」 加藤の腰巾着の園上が叫ぶが、バスの車内に答えられる人間なんて居ない。いるとしたら、バスの外の人物たちだろう。クラスメイトたちはただザワザワと外を見ながら騒ぐだけだ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加