第5話

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「えと……その……うん、ちょっと目のやり場に困るかな……」 去年海に行った時のものに比べて、布の面積が小さくなってるのは、間違いなく勘違いじゃないだろう。 そして、気持ちばかりご成長成されているのも、勘違いじゃないだろう。 俺の返事を聞いた桜花は何やら満足げに頷いてたけど、どういう意味だよ。 「で、みんなは?」 「それがね……紗奈と会話してて。 ずっと男子諸君を待たせるのもなんだから、私だけ先に来たの」 あの知佳もか? 知佳こそ、待たせるなんて悪いって真っ先に言いだしそうなのに。 「はあ……また、紗奈みんなに迷惑かけてなかったらいいけど」 「万里耶のことは大体分かったけどさ。 紗奈ってどういう子なの?」 「そうだな。 それは俺も聞いときたいわ」 変人ってのはよく分かったんだけど。 つかみどころがなさ過ぎて、どんな子なのかがいまいち見えてこないんだよね。 俺と悟志の質問に、万里耶は少し悩んでから答えた。 「紗奈って、いろいろすごいんだ。 例えば、最近科学の世界で、アイゼンホール理論っていうのが注目を集めてるんだけど、それを学会に発表したのが紗奈なんだ」 「が、学会!?」 「すごいって規模じゃないわね……」
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